酵素についてもっと知ろう

化学製品への応用

酵素という言葉が日本で商品化され最初に話題になったのが洗剤に配合された消化酵素でしょう。健康食品としての酵素サプリメントという言葉が広く知られる様になったのはつい最近の事です。(今でも市民権を得たと言う程ではありません)

しかし工業界での利用は昔から行われていました。最も古くから存在していた酵素を利用した工業製品は発酵食品でしょう。みそや醤油、納豆、漬け物、日本酒、焼酎などは原料となる穀物に麹を加える事で発酵を促します。麹には酵母が含まれていて、この酵母の中には豊富な酵素が含まれています。日本は最も優れた酵素利用食品を伝統的に作り出してきた国なのです。また日本が工業製品の輸出で経済発展を遂げた背景には工業製品を作る際に利用される「触媒」の存在がありました。

この触媒には多くの酵素が利用されています。触媒自体には何の作用もありませんが、何かの化学反応を起こす時にどんな触媒を利用するかで製品の生産効率は大きく変わってきます。酵素は生物の体内で化学反応を起こすのを助ける生体触媒の事です。先に述べた発酵食品以外にも肉を柔らかくするなどの性質を利用した酵素が加工食品工場では利用されています。

また、衣料品の生地を作る時にも様々な消化酵素が応用されているのです。また前章で紹介した医薬品への応用、手術の際に用いられる体内残留物質(シリコンや人工血管など)の製造にも酵素は重要な役割を担っています。酵素を利用することで体内に留置した際、拒絶反応を起こしにくい組成の物質にする事が出来るのです。